その2
生命あふれる田んぼのお米の生産者 小野寺さんを訪問しました。
行って良かったと心から思う生産者訪問となりました。
(株)スカイフードさんにご案内いただき関東の自然食品店さんと7月7日に一泊二日で「生命あふれる田んぼのお米」の産地宮城県大崎市田尻郡に行って参りました。
「生命あふれる田んぼのお米」が美味しい理由(ワケ)
2 雁や白鳥は知っている・・・
蕪栗沼
「生命あふれる田んぼのお米」は、無農薬・無化学肥料で作られます。これは、安全で、美味しいお米を作ると同時に、様々な生き物、自然環境、生活環境、美しい景観への思いやりでもあります。雁や白鳥は知ってます。ここは、自然豊かなやさしい土地であることを。
蕪栗沼は、マガン、オオヒシクイ、オオハクチョウなどの雁・かもるいの越冬地としての飛来数は全国でも最大級の沼です。特にマガンは毎年5~6万羽の越冬が確認されているほか、オオジロワシの越冬やオオタカの生息も確認されている貴重な沼です。
田尻町北部に広がる蕪栗沼の面積は約100ヘクタール。この北上川の自然堤防と丘陵に囲まれた低地性湿地は、国内でも貴重な自然環境が残る地域です。
現在までに、219種の鳥類、33種の魚類、10種の貝類、絶滅のおそれがある植物19種を確認されているそうです。
特に白鳥や雁類の越冬数が非常に多く、野鳥の楽園として知られています。
1997年には隣接する白地理地区50ヘクタールが沼に復元され、さらに野生生物の生息地が広がりました。
地域住民、子供たち、そして世界の人たちと話し合いや情報交換を進めながら、自然と人間の共生について考えている場所なのです。
ラムサール条約
ラムサール条約とは・・・ラムサール条約は、1971年イランのラムサールという町で採択された「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」の通称です。湿地に生息・生育する動植物、特に国境を越えて移動する水鳥を中心に国際的に保護・保全し、それらの生息地である湿地の「賢明な利用」を促進することを主な目標としている条約です。
平成17年アフリカのウガンダ共和国でかいさいされた「ラムサール条約第9回締約国会議」において「蕪栗沼・周辺水田」がラムサール条約湿地に登録されました。423ヘクタールがラムサール条約の登録され、そのうち、259ヘクタールに及ぶ大規模な水田が登録されるのは全国では初めてとなります。
この中に、「生命あふれる田んぼのお米」の水田があるのです。
小野寺さんは、「今後この自然を守る指命と義務がある。」とゆっくりとした口調でおっしゃっていました。
雁は、ねぐらと餌場が必要です。蕪栗沼が餌場になり周辺水田が餌場となります。ねぐらは安全な浅瀬を好み、餌場は美味しいお米の落ち穂を好みます。また餌場となる水田は、冬期湛水水田としより住みよい環境作りに、皆配慮しています。
10月中旬から3月中旬の越冬のため、この時期雁や白鳥を見ることは出来ませんでしたので、次回は、秋から冬の時期に訪問したいと思います。
小野寺さんの話では、日の出と共にねぐらから5万場の雁が、飛び立つときは、地鳴りのような音がするとのことです。その光景は荘厳で感動を覚えるそうです。
また、雁は5~7羽の家族だそうです。家族の結束が非常に強く家族の中の1羽でもけがとか病気で飛び立てなければ一緒に居残るそうです。
今は、日本各地、人間の都合による土地開発が行われています。昔の風景、記憶に残るふるさとの様子が消えつつあります。そんな中、この地帯は、20年30年後その先も永遠に変わる事なくこの自然、風景が保たれていくと思います。
人々がこの自然を守り続けてきたが故に、鳥たちが飛来してきました。今は、鳥たちが飛来してきたが故に、人々がこの自然を守っていくこという機会が与えられました。
ラムサール条約の登録により、ここ、田尻町の自然が保たれていきます。
この先、「生命あふれる田んぼのお米」も代々受け継がれていき、この自然・・様々な生き物、この風景、そしてこの自然を守り続ける人々の思いと共に永遠に変わることなく保たれていくと思います。
小野寺さんたちが、日々行っていること、その一つ一つがとても偉大で大きな事であると、深く考えさせられました。
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