みりんは料理の名脇役といわれるほどの調味料です。
みりんは約500年前に誕生したといわれていますが、今と違って甘みのあるお酒として飲まれていたようです。
みりんの酒類自体は3種類ほどですが、料理に最適なものを選ぶにはその分類の仕方を理解しておくことが重要です。
現在市販されているみりんのなかでは本みりん、みりんタイプ、みりん風味の3つがスーパーで度々目にする酒類です。
原料や製造方法の違いから風味や香り、甘みに違いがあるので、それぞれの違いを見て目的に合わせて上手にみりんを選べるようにしましょう。
まずは本みりんについてです。
蒸したもち米と米麹と焼酎を原料に熟成させて作る醸造品です。
通常アルコール度数が14%前後になるのでビールや日本酒と同じように酒税法の対象になります。
1996年までは酒類販売免許が必要で酒屋などでしか販売できませんでした。
しかし、規制が緩和されて申請すればスーパーでも購入することが可能になりました。
酵母による発酵ではなく、麹の酵素がゆっくりともち米のでんぷんを糖化して本来の風味が自然に作られていきます。
しかし、同じ本みりんでもコストや生産量の観点から風味を出すためにもち米を少なくして醸造用糖類を添加したものが本格焼酎の代わりに醸造用アルコールを使用しているもののほうが市場では多数を占めています。
また、大手のメーカーで「本みりん」と謳って並べられているみりんもありますが成分表を見てみると本みりんとは別物だったということもあるので成分表を見るようにしましょう。「醸造アルコール」や「糖類」と書かれていた場合はそれは本みりんではなく「みりん風」に近いみりんです。
次にみりんタイプですが、一般には蒸したもち米と米麹に醸造用アルコール(酒かす)と水あめを加えて発酵させます。
アルコール度数は5~15%で本みりんに近い印象ですが一番の特徴は食塩を2%前後添加しお酒として飲めない「不可飲処理」をしているということです。
これにより酒税法の対象から除外されています。
みりんタイプは発酵差させているので発酵調味料とも言われ、経済的な長所はありますが本みりんに比べて風味は少し劣ります。
また、食塩が入っているので料理のときは塩分の量に気をつけましょう。
最後にみりん風味ですが、文字どおりみりん風味であって、本来のみりんではありません。
アルコール度数が1%未満とほとんど含まれず、酒税法の対象外です。
酒類販売業免許がなかなか取得できない時代からスーパーなどの店頭で販売されていました。
この酒類は、穀類を酵素でブドウ糖液にして化学調味料・酸味料・香料などの添加物を加えて合成して作られています。
アルコール分が少ないと保存が利かないため甘さを20%前後に強くしてカバーするようにしていますが冷蔵保存が必要です。
また、みりん本来の特徴である魚介類の臭みの解消はあまり期待できません。
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