秋田の貴重な食文化
冬の訪れが早い秋田では、冬場の食糧確保のため、漬物など保存食を作る文化が根付きました。「いぶりがっこ」は、その代表作。発祥は秋田県横手市といわれ、県南地区を中心に古くから伝わるお漬物です。
大根をぬか漬けにする際、一般的には天日干しして漬け込みますが(いわゆる「たくあん」)、冬の秋田は日照時間が短く、氷点下の野外では凍ってしまうため、屋外に干せませんでした。そこで昔の農家では、屋内の梁(はり)などに吊るして干しました。囲炉裏の上に吊るされた大根は自然と燻され、その大根を漬けたことが「いぶりがっこ」の由来とされています。
マルアイ食品の「秋田名産 いぶりがっこ」は、この伝統食を、こだわりの原材料で現代に再現した逸品です。製造はいぶりがっこの本場、秋田食産(秋田県仙北郡)に委託しています。
三昼夜いぶして、糠漬けに
大根の収穫のピークは11月初旬。秋田近隣の農家から大根が運び込まれると、すぐに水洗いして葉を落とし、燻(いぶ)し作業に入ります。燻製専用の小屋の中に網で棚を作り、大根を一本一本並べて、焚き木を燃やして煙を出し、燻すのです。「サクラやナラ、ケヤキなどの広葉樹を使います。主に間伐材をよく乾燥させて使いますが、焚き木の入手もだんだん難しくなっています」と、マルアイ食品の辻内さん。
火加減を調整しながら約三昼夜かけて燻し、大根がしんなりと輪になるくらい水分がムラなく抜けて、きつね色に色づいて燻香がついたら、漬け込みです。甜菜含蜜糖、国産米ぬか、天日塩、米酢で作った糠床に丹念に漬けていきます。一般的にはザラメを使いますが、この糠床は甜菜含蜜糖を使用した特注品。米酢は、急激な発酵を抑えるためにごく少量加えます。温暖化は秋田の冬にも及んでいるのです。
あとはじっくり熟成を待つだけ。冬場はそのまま氷点下になる場所で約ひと月半以上漬け込み、樽上げとなります。
クリームチーズをのせても美味
薄切りにして口にすると、ぱりぱりの食感と、スモークの芳醇な香りが口いっぱいに広がります。お酒のおつまみ、箸休め、カレーのお供に。炒飯やお好み焼に入れるのもオススメです。
近頃は「いぶりがっこにクリームチーズをのせる」食べ方がSNSで話題になり、お洒落なバーでも人気とか。伝統的な発酵食品の魅力、まさに再発見!です。
自然食品のお店サンショップのおすすめ
国産大根を広葉樹(桜や楢、けやきなど)の焚き木で燻し、甜菜含蜜糖、米ぬか、天日塩、米酢でじっくりと漬け上げた自然食品です。 |
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