本物の原木乾し椎茸の味
乾物は古来より日本人に食されてきた、伝統的な保存食材です。天日や風にさらし、水分を抜くことで保存性・栄養価が高まるだけでなく、うま味や食感も増します。
乾物のなかでも身近な 「乾し椎茸」ですが、現在日本で流通している乾し椎茸の60%以上は中国産で、そのほとんどが味・香り・歯ざわりの悪い菌床栽培です。このままでは本物の乾し椎茸のおいしさを知らない人が増えるのでは、と危恨してしまいます。
ムソーの「大分産椎茸」はその名の通り、大分県産の原木栽培椎茸をゆっくり時間をかけて乾燥させた逸品。市販の中国産と食べ比べ
れば、その差は歴然です。
この道50年の目利きが光る
大分県産の乾し椎茸は、 国内生産量の42%(平成27年次林野庁統計)を占め、質・量共に日本一を誇る全国ブランド。 樹皮が厚く最も良質の椎茸を育むクヌギ原木を使い、 無農薬で栽培される大分県産乾し椎茸は、大型で肉厚な傘を持ち、香りや歯ごたえが良いのが特徴です
栽培農家は、まずはクヌギを伐採して1m前後の長さに玉切りし、ドリルで穴を開けて椎茸菌を打ち込みます。 その重たい木を風通しのよい木陰に移動させ(本伏せ)、椎茸菌が木の内側に充分に行き渡ったら、 湿気が比較的高い林内に移動させて合掌形に組みます(ほだ起こし)。こうして植菌から約1年半~2年かけて椎茸が発生。 ていねいに採取して、型
崩れや変色、シワが生じないよう温度と時間を管理しながら熱風乾燥して出荷します。
(株)武久は、この道50年の椎茸のプロ。入札所に並んだ乾し椎茸の箱に手を伸ばし、色と形と香りを目利きして納得のいく品だけを仕入れます。「上等の乾し椎茸とは、しっかり乾燥していて傘の表面に艶があり、裏側は淡い黄色のもの。形は栽培中の温度と雨量によって、肉厚のどんこと傘が開いたこうしんに分かれます」。こうして仕入れた乾し椎茸を、さらに2~3時間天日にあてて熟成させ、風味とビタミンDを増してから袋詰めします。
椎茸の「うまみ」を次世代に
武久4代目の武久景子さんは、5歳の女の子と4歳の男の子を育てながら、椎茸専門店「陽より子(ひよりこ)」を運営しています。 カフェでは、椎茸をメインに使った主菜と小鉢5品、出汁の効いたお味噌汁のランチが、お子さん連れのママたちに人気です。
お出汁を使った赤ちゃんにも優しい離乳食教室や、ほだ場でカブトムシを採る夏休みの親子イベントも開催。「イベントでは椎茸ベースのカレーと、推茸の甘辛煮のフライをお出ししました。肉厚の椎茸、 お子さんたちも大喜びでした」。椎茸の最大の特長であ「うまみ」を次世代に継承すべく、元気に活動中です。
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