喜界島粗糖について話し出せば止まりません。
例えば「喜界島粗糖ってどんな味?」という話。喜界島の人々は、この砂糖のことを「ミリンいらず」と呼んでいるそうですが、なぜかわかりますか?それから「原料糖って何?」という話題も面白いですよ。とても稀少な存在だということがわかります。「そもそも喜界島ってどんなところ?」という話も興味深いです。「日本で最も美しい村」「地下ダム」なんて気になるキーワードがいっぱい。今日はそんなおしゃべりにお付き合いください。
喜界島粗糖ってどんな味?
地元の島民のみなさんが「ミリンいらず」と呼ぶ喜界島粗糖。煮物を作るときにミリンを使わなくてもこの粗糖を入れるだけで十分においしくできるからです。なぜミリンがなくてもおいしくできるのかというと、粗糖には、ミネラルなどさまざまな成分が含まれていて、独特のコクがあるからです。ワインなどでよく使うキーワードに「テロワール」という言葉がありますが、喜界島粗糖では、まさしく喜界島という島の土壌や地形、気候などの環境の味、テロワールを味わえるのです。
成分を見ると、微量ですが、水分、たんぱく質、灰分、ナトリウム、塩分、カルシウム、鉄などを含んでいます。精製された白い砂糖ではこういったものを「雑味」として取り除いていきますが、喜界島という土地の味わいはまさしくその「雑味」の中にこそ含まれているというわけです。創健社では袋詰めする前にこの原料糖を広げ、目視の手作業で蜜玉などを取り除き商品として仕上げています。
ミリンいらずと呼ぶだけあって、煮物だけでなく、さまざまな料理に活用されます。創健社では自社商品の原材料として使用しているものもあります。そのほか、めんつゆなどにもぴったりです。料理研究家・枝元なほみさんも「これで作るシロップは極上」と褒めてくださっています。
原料糖って何?
では、そんなにおいしい原料糖をあまり見かけないのはなぜなのでしょうか。実は、そこにはちゃんと理由があります。原料糖というものは「本来はあまり出回らないもの」と位置づけられているのです。
砂糖と聞くと白い砂糖を思い浮かべる人が多いと思いますが、原料糖はその名の通り、原料として流通するのが一般的です。けれども、喜界島の人々は昔からこの原料
糖を日常的に利用してきました。
そこで「9割は原料として販売し、1割はそのまま使う」というルールが生まれました。もちろんその1割の中には島民のみなさんが日常に使うものが含まれています。ですから島外に出て行く分量はさらに少なくなってしまいます。さらに前述の通り、ケチャップやドレッシングや缶詰などに活用するので、「喜界島粗糖」として目にすることができるものは数に限りがあるのです。
もう一つ、喜界島粗糖が稀少な存在だという理由があります。
精製された白い砂糖の原料の大部分は輸入された原料糖です。日本で生産される原料糖はごく一部にすぎません。そしてこれらは混ぜ合わされて精製されるので、この時点で「砂糖の生産地」というものはわからなくなってしまいます。だから、いま口にしている砂糖の産地を知りたくても調べる方法はありません。その点、「喜界島粗糖」のように生産地がはっきりしている砂糖は、極めて珍しいわけです。
「原料糖のまま手に入る」ということと、「原料糖のままだから生産地がはっきりしている」ということ。この2点で喜界島粗糖は稀少な存在になっているのです。
喜界島ってどんなところ?
では、その喜界島粗糖の生産地、喜界島はどんな場所でしょうか?
喜界島は奄美大島の東方2 2 k m 、鹿児島県と沖縄本島のちょうど真ん中あたりの海上に位置する島です。全島ほとんどがサンゴを起源とする石灰岩で出来ています。約12万年前に島として現れたとみられ、現在も年間2mm隆起を続けています。
[最も美しい村]日本で最も美しい村連合に認定されていますが、その定義は“最も美しい村とは、人の営みが生み出した美しさであり、その土地でなければ経験できない独自の景観や地域文化を持つ村です。”とあります。ただ自然が残っているだけでなく、いかに人間たちが叡智を使って自然と社会の共生に取り組んでいるかが大きな基準となっていて、喜界島もそれにあてはまるわけです。
[基幹産業]台風の通り道に当たることもあり、強い風雨で倒されてもまた起き上がるサトウキビは栽培に適しており、サトウキビの栽培と原料糖の製造は島の基幹産業となっています。最も高いところで標高203mと起伏が少なく平坦な地形や土壌の質もサトウキビの栽培に向いており、奄美諸島で最も多くサトウキビを収穫しています。原生林などはあまり残っておらず、サトウキビ畑の風景が延々と続くのが特長です。
[地質と水不足]島は地表から20~40mをサンゴ起源の琉球石灰岩が覆っています。水を通しやすい石灰岩の層の下には砂岩と泥岩でできた不透水層があり、地中にしみ込んだ雨水は不透水層の上の石灰岩の隙間にたまりますが、滞留時間は短くすぐに海へと流れ出していきます。地表水が乏しいことと、サトウキビの成長期に干ばつに見舞われることが多く、もともと喜界島は恒常的な水不足に悩まされてきました。
[地下ダム]地中にしみ込んだ水がすぐに海に出て行ってしまわないように、地中に壁(止水壁)を作って、琉球石灰岩の隙間に水を貯留する計画が進められ、2003年いわゆる「地下ダム」が完成しました。これによってかんがい施設の整備が進み、サトウキビの品質も向上し、収量も安定するようになりました。さらに水を利用した収益性の高い農作物を導入した多様な農業の展開が可能になりました。地表部のオオゴマダラ(蝶)の生息地に悪影響が出ないよう配慮した工事も「最も美しい村」につながる取り組みです。
[命の水]このように地下水は島民にとって、まさに命の水です。この大切な水は汚してはならないという考えのもとに、農業でも農薬を極力使わない工夫が行われています。その代表がフェロモントラップで、害虫のメスのフェロモンを入れたトラップ(わな)を仕掛け、オスを捕獲して繁殖を防止しています。
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